歯科医院の税務調査ポイント
税務
自由診療と雑収入に注意
個人ならゴルフ経費も
-歯医者さんの税務調査-
所得税
- 2015.11.05 -
歯科医にありがちな税務調査
歯科医院では自由診療収入が多くなる傾向にあります。
例えば、歯列強制、インプラント、ホワイトニングなどです。
インプラントでは、医療費控除として申告される可能性も高いため、税務署内での整合性調査も容易です。
以下では、個人歯科医の税務調査事例や、確認ポイント等を見ていきます。
税務調査事例
①収入事項
自由診療収入において、歯科技工指示書は、自由診療収入との整合性をチェックしやすい資料となります。
当然、税務調査ではチェックされるでしょう。
また、労災・公害医療・自賠責等は入金が遅れ、計上漏れも発生し易い項目です。
日々の現金収支と毎月の未収金残高管理がポイントです。
次に、雑収入においては、日用雑貨や歯ブラシ、古金属、医薬品リベート等が調査事項になります。
また、自家消費した薬品等がある場合は、ここに含めます。
他方、誤り易い例として、講演料や原稿料などは、事業所得とはなりません。
別途雑所得として確定申告をする必要があるからです。
なお、これら収入は法定調書として支払先から税務署へ資料提出されています。
そのため、申告漏れがあれば、比較的指摘は容易でしょう。
②費用項目
個人歯科医の費用項目で問題となりやすいのが、交際費です。
例えば、情報交換のため歯科医師仲間同士でゴルフに行くことも多いと思われます。
しかし、内容によっては、否認されるケースも出てしまいます。
なぜなら、単に情報収集というだけでは、歯科医師の収入獲得との因果関係が薄いからです。
例えば、患者や顧問税理士等とのゴルフであれば比較的問題となりにくいでしょう。
しかし、歯科医師仲間同士のゴルフであれば、どんな情報を得たのか、それがどう患者集客に繋がるのか、を説明できる準備が必要です。
次に、奥さんを青色事業専従者としている場合、その勤務実態が問題となります。
一般従業員と比べ高額給与となる場合も多いと思われますが、その場合それなりの理由が必要です。
税務調査でのチェックポイントは、職責、勤務時間、能力等です。
タイムカードとの整合性も併せて確認しておきましょう。
第三に、自動車関連費用の必要経費算入額が問題となります。
自宅兼クリニックを構える歯科医師も多いと思われます。
そして、高級車を所有されている方も多いでしょう。
高級車が経費にならないというわけではありませんが、金額が大きい分、チェックはされます。
このとき、車を使う機会はあまりなく、認められる減価償却費も小額となるかもしれません。
対策としては、業務専用車両や運行履歴等をつけておくことが考えられます。