ホステスの源泉徴収 外注費と給与、マイナンバー
税務
ホステスの税金
報酬支払時の所得税
-源泉徴収-
所得税
- 2015.04.30 -
ホステスの所得税源泉徴収の取扱い概要
ホステス等の業務に関する報酬・料金には、源泉所得税等の徴収が必要になります。
(所得税法第204条第1項第6号)
徴収税額は、原則、翌月10日までに、納付を行います。
(
源泉所得税の延滞税等ペナルティはこちらで計算
できます。)
なお、ホステスの形態には、従業員である場合と、外注である場合とがあります。
それぞれ、源泉徴収事務はどのように異なるでしょうか。
以下、概要を見ていきます。
ホステスの意義
ホステスとは、以下のような者を指します。
- ・一定の場所(キャバレー、飲食店等)において
- ・遊興や飲食等に際し
- ・客に接待等を行うことを業務とする者
などです。
キャバレーは一昔前の呼称で、今はほとんど使われないかもしれません。
今風に言えば、キャバクラやクラブ等が該当します。
(ホストクラブも同様です)
また、店舗等、恒常的に設置されている場所以外も、対象となります。
(例:社員寮、通常飲食が行われない会議室等)
なお、類似職業ですが、以下の者は該当しません。
- ・日本舞踊、三味線等の伎芸で酒席に興を添えることを業務とする者
- ・配膳人
- ・バーテンダー
ホステスの源泉徴収税率
所得税法第204条第1項第6号のホステス等に該当する場合、以下の源泉徴収税額となります。
- ・A:報酬額
- ・B:控除金額(5,000円×日数)
- ・C:源泉徴収税額=(A-B)×10.21%
なお、上記Bの「日数」の考え方は以下の通りです。
- ・×:営業日数
- ・×:出勤日数
- ・○:暦の日数
例えば、1週間毎に支払うならば、5,000円×7日=35,000円、となります。
外注費と給与の違い
外注費と給与では、源泉所得税等の取扱いが異なります。
上記、所得税法第204条第1項第6号は、外注費扱いを想定したものです。
ですが、近時では、給与扱いとするケースもあります。
なお、給与となった場合、通常の従業員と同じ取扱いが必要です。
具体的には、以下のような計算を行います。
- ①:従業員が「給与所得者の扶養控除等申告書」を会社等に提出
- ②:「給与所得の源泉税額表」等を元に、源泉徴収税額を計算
給与所得に該当した場合、源泉徴収税額は一定(10.21%)ではありません。
所得の大きさに応じ、税額が異なります。
したがって、ホステスの類型がどちらに該当するか、判断を要します。
外注費と給与の分別基準
ホステス等への支払いが、外注か給与かは、以下を参考に判断します。
- ①:当該契約内容が他人の代替を容れるか
- ②:仕事の遂行に当たり個々の作業における指揮監督の有無
- ③:危険負担(未引渡し品が滅失した場合等の報酬請求権の有無)
- ④:業務に必要な材料/用具等供与の程度
- ⑤:雇用契約書の有無
ただし、上記基準は一例に過ぎません。
実際は、個々の経済事象から総合的に判断することになります。
所得税法第204条第1項第6号は、プロホステスを想定していると思われます。
そのため、完全歩合制、数店舗の掛持ち、自身のお客様と営業、等の特色があります。
代表例として、東京銀座のホステスが該当するでしょうか。
彼女たちは、個人事業主で、お店の従業員という意識はほとんど無いそうです。
(お店という場所を借りて、自分で営業している感覚)
衣装代、DM代、お中元等も基本的に自己負担と聞きます。
また、売掛金回収も責任を負う場合があるとか。
報酬は基本日当+成果報酬の契約が多いようです。
したがって、以下の場合は、給与所得となる可能性もあります。
- ・所属先から携帯電話の貸与
- ・時給制
- ・衣装代、クリーニング代等が自前ではない
マイナンバー制度導入の影響
マイナンバー制導入により、個人の税追跡が容易となることが予測されます。
そのため、源泉所得税の徴収、ホステスの無申告は更に厳しく、かつ高精度で指摘されるでしょう。
事業主、使用人ともに注意する必要があります。