保険外交員の確定申告注意点

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保険外交員と所得税確定申告

必要経費を管理して節税!
-初めての確定申告-

所得税

- 2015.08.11 -

保険外交員の特徴と確定申告

個人事業主として保険外交員を営んでいる方は、確定申告が必要です。
会社毎の報酬制度に依り、固定(給与)と非固定(事業)報酬とが混在する場合があります。
個人事業主としての所得には、必要経費の計上が認められます。
保険外交員の確定申告及び節税には、経費管理を適切に行うことがポイントです。

保険外交員の交際費

保険外交員の場合、交際費の割合が多いことも特徴だと思われます。
しかし、交際費は経費性を否認される可能性も高い費目です。
確定申告において注意すべきポイントは、以下のようなものです。

  • ①一人だけの飲食は原則不可
  • ②スーツ、衣装代は原則不可
  • ③スポーツクラブ、異業種交流会費等は原則不可
  • ④贈答用品は得意先別に記録する

①一人だけの飲食は原則不可

一人分の飲食費は、交際費等処理しても否認される可能性が高くなります。
仮に、喫茶店等にパソコンを持ち込み、仕事をしたとします。
しかし、特段の事情がない限り、1名分の飲食費計上は難しいと思われます。
なお、お客様との商談等であれば、問題ありません。

②スーツ、衣装代は原則不可

お客様に会って商談するため、最低限の身なりを整える必要もあるかと思われます。
しかし、スーツ代等の必要経費計上は原則として認めらません。
特に、保険会社から給与として固定報酬を貰っている場合、給与に対するコストとも取れます。
なお、当該経費は、別途「給与所得者の特定支出の控除の特例」にて控除できます。
(所得税法第57条の2)

③スポーツクラブ、異業種交流会費等は原則不可

お客様とのお付き合いや、親睦を深めるための各種会等へ所属することもあるかと思います。
しかし、これらの会費は原則経費計上できません。
現実問題として、会費支出は、集客・関係性強化のために必要な要素とも言えます。
しかし、保険契約を獲得するために直接必要な経費と言えない限り、経費計上は困難です。
なお、同様事例で、司法書士のロータリークラブ会費の経費性が否認されています。
(平成26年3月裁決 国税不服審判所

④贈答用品は得意先別に記録する

顧客との関係維持の必要性から、贈答用品も多く発生すると思われます。
当該費用はその性質に鑑み、贈答先毎に、記録して置く方が望ましいと言えます。
一覧表にまとめるのが面倒であれば、領収証等へのメモ書きでも有意義です。

その他経費の計上注意点

その他、よくある保険外交員の確定申告上のポイントは以下のようなものです。

  • ①車両費(車、ガソリン代等)は事業と非事業分を分ける
  • ②自宅を事務所とする場合、家賃を床㎡等で按分費用計上

①車両費(車、ガソリン代等)は事業と非事業分を分ける

保険外交員の地方営業では、車の使用が必須となると思います。
車は購入代価も高く、多額の費用化が見込めます。
しかし、その全額を経費計上することは出来ず、事業と家事との按分が必要となります。

按分方法には、必ずこれといった基準が無く、合理的区分方法であれば、問題ありません。
例えば、走行距離や営業日数等で按分する、などです。
按分合理性については、税理士等第三者意見を参考にしてもよいかもしれません。

②自宅を事務所とする場合、家賃を床㎡等で按分費用計上

自宅兼事務所にて、活動される保険外交員の方もいると思われます。
この場合も、車両費と同じく、一定の按分が必要となります。
多くは、事務所として利用する部屋とそれ以外の部屋とを床㎡で按分し、費用計上します。

確定申告における所得の分類に注意

保険外交員の場合、年末に、保険会社から源泉徴収票が発行されることが多いと思われます。
そして、当該源泉徴収票を基に、確定申告を行うことになります。

ところで、保険会社によっては、支払明細が分かれている場合があります。
つまり、給与と非給与に係る部分とが区分表示されています。

このとき、各々を給与所得、事業所得(雑所得)として確定申告します。
全てを合算し、事業所得として申告してしまわないよう、注意します。
なお、給与所得には、一定の税優遇(給与所得控除)が認められます。

【注】本Tipsでは、投稿日時点の情報を掲載しています。記事に関する税務・個別具体的判断につきましては、最寄の税務署または顧問税理士・税理士法人等へ相談確認して下さい。万一当記事に基づいて発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねます。