紹介料・情報提供料と交際費課税
税務
紹介料は、交際費?手数料?
手数料には一定要件あり
-事前準備も必要に-
法人税
- 2015.08.12 -
顧客紹介等に係る紹介料の取扱い
業種によっては、顧客からの紹介が重要な営業ツールになります。
その際、紹介料として一定の手数料や謝礼金を支払う場合があります。
当該紹介料は、一定の要件を満たせば手数料(外注費)となります。
しかし、基本的に交際費課税がなされます。
以下では、紹介手数料・情報提供料に関する税務を見ていきます。
一定の要件を満たせば、交際費に該当しない
そもそも、仲介・紹介を業としている者への手数料は、交際費に該当しません。
問題となるのは、それ以外の者への謝礼等です。
例えば、一般の既存顧客が新規顧客を紹介してくれたような場合です。
不動産や整骨院、建設業等では定期的に発生すると思われます。
ところで、法人が支払った紹介料等につき、非交際費となるには、一定の要件が存在します。
具体的には、以下のような条件を全て満たす必要があります。
(租税特別措置法関係通達法人61の4(1)-8)
- ①予め締結された契約に基づく金品交付である
- ②役務提供内容が契約において具体的かつ明らかで、実際に提供を受けている
- ③交付金品の価額が役務内容に照らし相当である
では、具体的にどのような様態・運用が考えられるでしょうか。
上記①の要件
民法上、契約は口頭や口約束でも成立します。
しかし、後日の立証が難しいのが難点です。
できれば、書面での契約書を残しておく方が無難です。
ところで、お友達紹介キャンペーン等はHP等で紹介している業者も多いと思います。
事前に募集告知をしていれば、当事者間で報酬授受の認識があるとも言えます。
当該HPの掲載内容等も併せて保存しておけば、より良いと思われます。
上記②の要件
契約書を書面で交わす限り、上記②は特段問題ないと思われます。
なお、一般的な顧客紹介契約(委任契約)は、印紙税法上不課税となる可能性が高いものです。
上記③の要件
紹介料の統一的相場というものは、存在しません。
業種や規模、内容等によっても異なると思われます。
また、同業他社の相場情報を収集・記録しておくのも、良いかもしれません。
税務調査で否認を受けないためにも、税理士と共に合理的算定基準・根拠を準備しておきます。
交際費課税の原状
原状、一般的な中小企業(※)では、年:800万円まで交際費を損金算入できます。
(※期末資本(出資)金の額:1億円以下)
よって、多額の交際費に昇らない限り、さほど神経質になる必要もないかもしれません。
金額が大きくなる場合は、税理士に事前確認した方がよさそうです。