年金受給者の確定申告と健康保険料のアップ

税務

年金

年金は確定申告で税還付。

雑所得の税務申告
-H26.確定申告-

所得税

- 2015.01.31 -

年金等に関する税制概要【平成26年度確定申告】

公的年金等(国民年金、厚生年金など)の受給者は、その収入額が400万円以下で、かつそれ以外の他の所得が20万円以下であるときは、確定申告は不要です。
ただし、申告不要であっても、所得税等の還付を受けるために申告を選択することも可能です。
公的年金等は雑所得に区分され、以下により計算されます。

  • 公的年金等に係る雑所得の金額 = 公的年金等の収入金額 - 公的年金等控除額

また、年金受給者の中には、生命保険会社などから個人年金を受け取られている方も多くいます。
その場合は、上記公的年金等と異なる計算を、以下のように行います。

  • 公的年金等以外に係る雑所得の金額 = 収入金額 - 必要経費

生命保険等であれば、払込保険料または掛金等を元に、必要経費を計算します。

なお、遺族恩給・年金、障害年金等は非課税所得となるので、誤って申告しないように注意します。

確定申告により税の還付を幾ら受けられるかは、その年の扶養状況や各所得控除の割合等が影響します。
無料相談または各申告会場を利用される方は、昨年の確定申告書も持参した方が無難です。

確定申告と国民健康保険料のアップ

年金受給者の方の中には、株式投資をされている方も多くいらっしゃいます。
従来は優遇税率であったことも起因し、申告されないケースも多かったと思います。

しかし、平成26年から上場株式譲渡益や配当に対する税率がアップされました。
そのため、現在では、確定申告で税還付を受ける方も増えたのではないでしょうか。

このとき注意したいのは、国民健康保険料のアップが税還付を上回る可能性についてです。
従来は、株の所得が確定申告されないため、保険料計算のベースとなる所得が低くなっていました。
これが、還付目的で申告されると、当然保険料のベース所得が上がることもあるからです。
税率アップ後初となる今回の確定申告では、保険料が大きく上がった方もいるのではないでしょか。

なお、国民健康保険料の計算は、各市町村によって異なります。
全市町村データの確認は困難ですが、地域により倍近い差異も発生するようです。

【注】本Tipsでは、投稿日時点の情報を掲載しています。記事に関する税務・個別具体的判断につきましては、最寄の税務署または顧問税理士・税理士法人等へ相談確認して下さい。万一当記事に基づいて発生したいかなる損害についても、弊社は一切の責任を負いかねます。